水の成分

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とても身近な水ですが、その成分はご存知ですか。
毎日触れて、口にするものですから、水の特徴を理解しておきましょう。

水を構成している分子

ご存知の通り、水を構成している分子はH₂Oです。水素分子H₂と、酸素分子O₂から構成されています。
なぜH₂O₂とならないかというと、酸素分子1個に対して水素分子が2個ついている状態だからです。

(水の化学反応式)2H₂+O₂→2H₂O

H₂Oという表記では水素分子と酸素分子の量が合わないのでは?という疑問に対しては上の化学反応式で解決出来ます。

ちなみに、H₂O₂は過酸化水素水という、超猛毒の殺菌剤、漂白剤としても使われている化合物です。
水に酸素分子が1個ついただけで、こんなにも違いが生まれてくるのですね。

これが「水の惑星」地球のほとんどを構成している水の基本です。

水の性質についてはこちらもご覧ください。

水の性質

ここからは、地球上のいろいろな水の成分について見てみましょう。

➀海水

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地球上の約97%は海水に覆われています。
その構成している成分は、
・水 96.6%
・塩分 3.4%

です。
この塩分濃度は測る場所によっても違ってきますが、塩分の構成はほぼ一定となります。

成分化学式濃度(g/kg)質量(%)溶質(%)
ナトリウムイオンNa⁺10.7601.05630.61
マグネシウムイオンMg²⁺1.2940.1273.69
カルシウムイオンCa²⁺0.4120.0401.16
カリウムイオンK⁺0.3990.0381.10
ストロンチウムイオンSr²⁺0.00790.00080.03
塩化物イオンCl⁻19.351.898055.05
硫酸イオンSO₄²⁻2.7120.26497.68
臭化物イオンBr⁻0.0670.00650.19
炭酸水素イオンHCO₃⁻0.1450.01400.41
フッ化物イオンF⁻0.00130.00010.003
ホウ酸H₃BO₃0.00460.00260.07

上の表からも分かる通り、たかが塩分といえど多くの成分が含まれていることが分かります。

➁河川水

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河川水の成分は、その長さや流れる場所の地質によっても変わってきます。
特に日本では、世界に比べて川の長さが短いため、地質に含まれるミネラルをあまり吸収せずに海へと流れ出ます。
そのため、日本の水はカルシウムなどがあまり含まれていません。

成分化学式世界平均(mg/L)日本平均(mg/L)
カルシウムCa15.08.8
マグネシウムMg4.11.9
ナトリウムNa6.36.7
カリウムK2.31.2
重炭酸イオンHCO3-58.431.0
硫酸イオンSO₄²⁻11.210.6
塩化物イオンCl⁻7.95.8
ケイ酸SiO₂13.119.0
出典:世界...リビングストン 1963 日本...小林純 1960

ケイ酸の値が世界に比べて大きいのは、日本が火山大国だからです。
ちなみにですが、このケイ酸が火口から噴き出す溶岩にどれだけ含まれているかによって、溶岩の粘度が決まります。
ケイ酸の含まれる割合が高ければ高いほど粘度が高くなり、よりどろっとした溶岩になります。

➂水道水

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水道水は、どの家庭にも流れていますので、一番身近な「水」ではないでしょうか。
実は、水道水は法律で定められた条件があります。

【水道法 第四条】
水道により供給される水は、次の各号に掲げる要件を備えるものでなければならない。
一  病原生物に汚染され、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものでないこと。
二  シアン、水銀その他の有毒物質を含まないこと。
三  銅、鉄、弗素、フェノールその他の物質をその許容量をこえて含まないこと。
四  異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。
五  異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く。
六  外観は、ほとんど無色透明であること。
 前項各号の基準に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

日本の水道水が世界に比べて安心・安全といわれているのは、しっかりとした法律があるからなのですね。

水道水成分表

成分基準値結果値(27年度平均値)
ナトリウム200mg/L以下15
塩化物イオン200mg/L以下18.5
フッ素0.8mg/L以下0.07
ホウ素1.0mg/L以下0.04
カルシウム、マグネシウム等(硬度)10mg/L以上、100mg/L以下50.0
東京都水道局朝霞浄水場(平成27年度平均値)

実際に水道水に含まれる成分を見てみると、全て基準値をクリアしていることがわかります。
水道法で定められている基準値もかなり厳しいものなので、いかに日本の水道水が安全かが分かります。

ちなみに、水道水に含まれている成分の特徴は次のようなものです。

ナトリウム(Na)

食塩にも含まれるナトリウムは、血圧の調整、栄養素の吸収や運搬といった役割を担っています。
普段生活している上で何気なく摂取しているので、なかなか不足することはありません。
ナトリウムが不足すると疲労感や痙攣などの症状が出ることがあります。
逆にナトリウムを過剰摂取してしまうと、高血圧やむくみ、腎臓病、動脈硬化などを引き起こしてしまいます。

カリウム(K)

カリウムはナトリウムと同様に、細胞内の浸透圧を一定に保ち、高血圧を予防する効果があると言われています。
過剰にナトリウムを摂取してしまった場合は、カリウムがナトリウムの吸収を抑え、尿を通して体外に排出してくれます。
カリウムの働きによって、私たちは高血圧にならず、安定した血圧を保ち続けられるのです。

カリウムが不足してしまうと、疲労や高血圧、めまいなどを発症しやすくなります。
食品からであれば、カリウムを過剰摂取しても特に問題はないと言われています。
しかし、腎臓機能が低下している時には、カリウムが血中に蓄積されやすくなり、排泄が上手く行えなくなって、高カリウム血症やしびれなどの神経症も引き起こす恐れがあります。

カルシウム(Ca)

カルシウムはご存知の通り、丈夫な骨や歯を作るために必要不可欠な栄養素です。
体内でのカルシウムの内訳は、99%が骨や歯、残りの1%が神経や血液に含まれています。
この1%のカルシウムが、
・筋肉の収縮
・ホルモン分泌
・神経伝達
・精神状態の安定
・血液の凝固
などの役割を担っています。

カルシウムが不足してしまうと、骨粗しょう症やイライラする、などの症状が表れます。
逆にカルシウムを過剰摂取すると、他のミネラルの吸収を阻害し、貧血や尿結石などの原因となってしまうことがあります。

マグネシウム(Mg)

カルシウムに比べて意外と知られていませんが、マグネシウムもカルシウムと共に、骨や歯を形成する上で必要不可欠な栄養素です。
体内のマグネシウムのうち、50%は骨に存在していて、残りの50%は筋肉の収縮を助けたり、心筋梗塞や動脈硬化を予防する効果があります。
マグネシウムが不足すると骨粗しょう症や神経疾患になりやすく、逆にマグネシウムを過剰摂取すると下痢や軟便になりやすくなります。

塩素(Cl)

塩素が水に含まれているのは、水道水ならではです。
塩素が入っていることによって、水の中の雑菌などを消毒する効果がありますが、「カルキ臭い」と敬遠されがちです。

塩素にはとても強い漂白・殺菌作用があり、O157などをはじめとした病原菌を一網打尽にすることが出来ます。
水道水が私たちの家庭の蛇口から出てくるときには、この塩素はほとんど取り除かれています。
このうち、どうしても残ってしまう塩素を「残留塩素」と呼んでいます。

残留塩素はその基準値が決められていて、

0.1mg/L≦(残留塩素)≦1.0mg/L

と定められています。
これは、塩素量が少なすぎると水道水が殺菌されず、逆に多すぎると私たちの体に悪影響を及ぼすからです。

ちなみに、WHO(世界保健機関)の定めでは残留塩素の5ml/L以下となっていることからも、日本の水道水がいかに安全かが分かります。